株式会社Cブリッジ

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2019.03.29

M&Aについて➁(筑後地区M&A事例)

昨日は、福岡県では事業承継、その中でもM&Aは中々進んでいないというお話をさせていただきました。我が強い経営者が多いといえる反面、それだけ会社に愛着がある証拠であることは間違いありません。事業承継はしないといけないのはわかっているが、会社を手放したくない、M&Aはしたくない。そのうち、年齢を重ね70歳、75歳そして80歳と事業承継を先伸ばしする。もう80歳過ぎるとしっかりした経営判断が厳しくなってきます。この時期にでもなれば、それが会社の業績に影響しているのが目に見えてきます。従業員も社長が60歳くらいから、自分の会社は次は誰が社長するのか?口には出さないものの、間違いなく8割くらいの従業員は心配でならないのです。そのうち、少しずつ不安を抱えた従業員が転職していき、会社の勢いが衰えて行くのです。
 私は今年から久留米を中心にした筑後地区に重点をおいて活動しています。では最近の筑後地区のM&Aの状況はと申しましと・・
 情報開示された事例では、筑後地区第2の都市、大牟田市。2012年に大牟田を代表するオーナー企業オーム乳業が、上場企業の不二製油にM&Aされました。大牟田ではこの話題で持ちきりでした同じ大牟田で2006年大牟田を代表するお菓子、草木饅頭の江口栄商店、1914年(大正3年)創業の老舗。熊本の陣太鼓でお馴染みの香梅に譲渡されてます。そして、2016年は久留米を代表するニシケンが同業の上場企業カナモトにM&Aされました。ニシケンはIPO(新規株式上場)を模索してあったと聞いております。同じ2016年に大川のマルヨシ民芸家具がこれも上場企業のナカバヤシにM&Aされました。最近では久留米の商工会議所会頭の本村氏の本村商店が名古屋のイズミック(大手企業)に譲渡されてます。ちょっと前ですが、同じく久留米の三原機工、2008年まだPE(プライベートエクイティ)ファンドがほとんど知られていない時に日本プライベートエクイティに譲渡しています。その他、私が金融機関時代に関わっただけで5社がM&Aされてます。上記紹介した企業は筑後地区を代表する企業ですが名前をあげた5社は譲渡先を見ますと上場企業が3社、非上場会社が2社、ファンドが1社。上場企業へ譲渡された3社はミニIPOを成し遂げたと言えますし、ニシケン、マルヨシ民芸は経営者もそのまま残ってあると聞きます。他の3社も上場企業に匹敵する同業者への譲渡で、今後の先行き不安を解消され、更なる成長を遂げられております。
 ここに上げた会社は後継者不在という事業承継問題を機に、今後の不安な時代を生き残るために、ミニIPOを獲得され、会社の将来の道筋をしっかり付けられたと言えます。まさに事業承継を成長戦略へと転換して行かれた典型的な事例です。
 先日ご紹介した企業のような事業承継に悩んでる企業で、特にM&Aしか選択肢がない企業の経営者は決断するしかないんです。決断が遅れれば遅れるほど従業員には不安を与え(経営者は案外理解していない)取引先にも同様。成長への選択肢が狭まっていく可能性が高いのに気づいて欲しいものです。昨日紹介した2社は創業者ではない、だから決断ができないのかもしれません。
 M&Aしか選択肢がない企業は早急に決断することが非常に重要なんです。


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